トータルコストの削減

トータルコストの削減

大学の学生向けプリント環境におけるコスト削減を試みる際、得てして「印刷コスト」のみに着目しがちですが、それだけでは十分とは言えません。私たちは印刷コストだけはなく、イニシャルコストやランニングコストを含めたトータルでのコスト削減が不可欠と考えており、それは具体的に「設備投資費」「消耗品費」「メンテナンス費」の3つに分けることができます。京セラではこれらの視点から、これまでのプリンターや複合機のご利用状況を踏まえて、最適な製品や設置場所、導入台数に関するご提案をさせていただきます。当社はお客様と共に、学内におけるプリント環境のサービスレベル最大化を目指しながら、トータルコストの削減に繋がるソリューションをご提案いたします。

イニシャルコスト

プリンターや複合機といった印刷機器、更に学生のプリントを管理するシステムに関する費用です。製品価格×購入台数が設備投資費になるため、低額の製品を選択するか、導入台数を絞ることで、コストを削減できます。

ランニングコスト

最も注目されている印刷コストです。印刷単価×枚数が印刷コストとなるため、印刷単価(トナーの価格)が安い製品を選択するか、印刷ボリュームを減らすことでコストを削減できます。

保守や管理を目的に発生する、メンテナンス費用です。保守サポートを受けるために支払う金額+管理にかかる人件費がメンテナンス費と考えた場合、保守料金や管理工数を減らすことでコストを削減できます。

コスト削減1 - 設備投資費

利便性を損ねずイニシャルコストを削減する

  • プリンター/複合機の利用状況を分析して最適配置をご提案

    イニシャルコストの削減は、購入する製品の種類や台数を絞ることで実現できます。しかし、ただ闇雲に台数を減らしていくだけでは、表面的なコストカットにしかならず、場合によっては却ってコストが増えてしまう可能性もあります。例えば、あまり使われていないと思われるモノクロプリンターを減らしたところ、近くに設置されていたカラー複合機の印刷枚数が増えてしまい、結果的にランニングコストが高騰したといった失敗例もございます。このような事態を避けるため、私たちは導入前にお客様のご利用状況を徹底的に把握します。現在お使いの製品から利用ログを取り、レポートにまとめてご報告いたします。その分析結果とお客様へのヒアリング情報を元に最適配置をご提案させていただくことで、適切な製品と台数をご決定いただけます。

  • コスト削減1 - 設備投資費

  • ご提案例 - 印刷負荷を複数機器に分散することでコスト削減

    製品本体の月間利用制限枚数を越えてしまうほどカラー複合機に印刷が集中しているようなケースでは、そのまま使い続けると故障の原因となりえます。最悪、部品の入れ替え時期が早く訪れたり、製品本来の耐用年数(5年間)まで使い続けることができなくなってしまいます。このようなケースのご提案として、カラーA3プリンターとモノクロA4複合機に分散するという方法が挙げられます。この2台はカラーA3複合機と比べてイニシャルコストが低い上に、トナー価格も安くなる場合がございます。分散することで製品1台にかかる負担を抑え、長期間利用することで結果的にトータルコストを抑えることができるのです。

  • ご提案例 - 印刷負荷を複数機器に分散することでコスト削減

  • ご提案例 - コストを抑えてプリント管理システムを導入可能

    製品入れ替え時期を迎える前に経費削減を実行したい場合や、あまりコストをかけずに学生の印刷を管理したい場合は、プリント管理システムのみ先に導入することをおすすめいたします。京セラのプリント管理システムはマルチベンダーに対応しているため、必ずしも製品を京セラ製に切り替える必要はございません。現在ご利用中のプリンターや複合機の資産を活かしながら、プリント管理を実現できることが最大の特長です。
    もし京セラ製品を併せてご利用いただける場合は、更に2つのコストメリットがございます。一つ目は印刷制御用の端末を準備する必要がないため、その分の購入費を抑えられるという点です。一般的なプリント管理システムでは、プリンターや複合機の側に制御端末(PC)を設置する必要がありますが、京セラ製品は本体内部にHyPASというプラットフォームを搭載しているため、制御端末が不要です。二つ目は京セラがタッチパネルを搭載した多機能で安価なA4複合機のラインナップを取り揃えていることです。A4複合機は日本でこそあまり知られていませんが、ドイツをはじめとする海外では人気がございます。イニシャルコストが安いA4複合機とプリンターを組み合わせることで、A3複合機を1台購入するよりもコストを抑えられるケースもございます。

  • ご提案例 - コストを抑えてプリント管理システムを導入可能

コスト削減2 - 消耗品費

印刷単価を下げる

  • エコシスコンセプトによって消耗品の圧倒的な低コスト化を実現

    私たちが開発するプリンターと複合機は、独自の「エコシスコンセプト」に基づき、部品を極限まで長寿命化することで部品や消耗品の廃棄を少なくしています。そのため、純正品のトナーにもかかわらず低コスト化(※1)を実現しました。(エコシスコンセプトの詳細はこちら)例えば、他社製品ではトナーと感光体が一体型なのに対し、京セラ製品はそれらを別々に分離。トナーを交換する際、感光体(ドラム)の交換が必要ないため、トナー1本あたりの単価を抑えることができるのです。感光体は耐久枚数が30万枚~60万枚程度であるため、製品によっては5年以上も交換せずに使いづけられる場合もございます。(各製品ごとの耐久枚数についてはお問い合わせください)

    ※1 純正品トナーをおすすめする理由

    ランニングコストのうち、印刷単価はトナー価格で決まります。そのため、少しでも低価格のトナーを選ぼうと、純正品以外のサードパーティ製トナーをご利用になるお客様もいらっしゃいます。しかし、後に製品故障を引き起こすリスクがあがり、結果トータルコストの圧迫を引き起こす恐れがあることから、純正トナーをおすすめしています。京セラの純正品以外のトナーは、印刷品質を下げるだけでなく、トナー漏れや不良品による部品の損傷を引き起こしかねません。そうなってしまった場合、ご契約いただいた保守サービスを受けることができないばかりか、部品や製品本体を買い換えることになり、本来必要の無い経費負担が発生する可能性がございます。

  • コスト削減2 - 消耗品費

トナーの使用量を抑えることで印刷単価を下げる

プリント管理システムを活用して、「印刷物1枚あたりのトナー使用量を削減する」ことで実質単価を下げることができます。

※2 定額保守契約または年間保守契約の場合。コピーチャージ契約の場合、トナーの使用量にかかわらず、カウンター料金は一律です。

カラーよりもモノクロのほうがトナーの単価が安価であり、また使用するトナーの種類が減ることから、印刷単価を下げることができます。プリント管理システムなら、印刷時に強制的にモノクロへ変更することが可能。現在お持ちのカラープリンターやカラー複合機も、モノクロの出力だけに制限することができます。

プリント管理システムなら、印刷時の用紙サイズを制限することが可能です。B4やA3サイズなどの大きな用紙を使った印刷を制限することにより、トナーの使用量を抑えることができます。

印刷時の濃度を下げることで、トナーの使用量を抑えることができます。ビジネスシーンで利用されるようなプレゼンテーション用資料と違い、大まかな色合いが判別できれば十分なドキュメントであれば、濃度を抑えた印刷でもご利用に支障はないでしょう。

ポイント制によって学生にコスト意識をもたせる

大学においては、学生が安易にフルカラー印刷を多用したり、印刷設定をよく確認しないまま必要以上にプリントアウトしてしまうなど、無駄な印刷が散見されます。そのため、「印刷単価を下げる」だけでなく、「印刷枚数そのものを減らす」という方法もコスト削減に効果的です。無駄な印刷が多い理由は、学生がプリンターや複合機を無制限に利用できてしまうことが原因です。大量に印刷することに対して、なんら制限がない状態では、学生に自主的な努力を求めても、改善される見込みは薄いでしょう。多くの大学において、この問題の対策として導入されているのが、印刷枚数に上限を設定する「ポイント制」です。この制度では、学生は各自に付与された無料の印刷ポイントを使って、学内のプリンターや複合機から印刷を行います。上限を設けることにより、コスト意識が生まれ、無駄な印刷を抑制します。

ポイント制度の運用には、ポイント管理システムが必要

大学においてポイント制を運用するには、学生ごとのポイントを管理するシステムが不可欠です。京セラでは多くの大学様に支持されているポイント管理システム「TASKGUARD IDマネージメントシステム」を提供しています。当システムでは、基本的なポイント管理機能だけでなく、無駄な印刷を制限するための機能も搭載されています。下記では、その一部をご紹介します。

ポイントの消費量をカラー印刷とモノクロ印刷にわけて、それぞれ設定可能です。モノクロのポイント消費量をカラーよりも低めに設定しておくことで、モノクロの利用率が増え、カラートナーの節約効果が期待できます。

印刷データのファイル名に「ゲーム」や「サークル」といったキーワードが含まれるなど、明らかに学業の範囲を超えているドキュメントを検知した場合、印刷を強制的に停止することができます。

大きなフルカラー写真など、トナーの消費量が多いデータは、ファイルサイズも大容量になりがちです。そこで極端にサイズの大きな印刷ジョブを強制的に停止することで、トナーの節約に繋がります。

プリンターや複合機のタッチパネルで、印刷データを確認してからプリントアウトするように設定することができます。印刷部数や用紙サイズなどを確認させるプロセスを入れることで、誤操作や勘違いによる無駄な印刷を減らすことができます。

コスト削減3 - メンテナンス費

見えないコスト(人件費)を削減する

ランニングコストには、トナーなどの消耗品費や保守料金などの目に見えるコストだけでなく、管理の手間やメンテナンス作業にかかわる技術料金も含まれています。私たちは製品や保守サービスを通して、お客様の管理の手間や作業時間の削減をお手伝いします。

  • その1 消耗品の補充や管理の手間を減らす

    学内に点在するプリンターや複合機に消耗品を補充するのは、管理者によって大きな負担です。京セラ製品は給紙用のペーパーフィーダーが大容量(カラープリンター「ECOSYS P8060cdn」なら最大で8,625枚の給紙が可能)のため、用紙の補充頻度を下げることができます。また、IoTを活用したリモート保守サービス「ECOSYS NET」では製品の状態を常時監視し、残り少ないトナーを自動配送いたします。京セラの製品やサービスをご活用いただくことで、これまで消耗品の在庫管理や発注作業にかけていた手間を大きく軽減できます。

  • その2 製品のダウンタイムを減らす

    京セラの製品は、本体から部品にいたるまで長寿命設計であるため、最小限のメンテナンスで長期間安定してお使いいだけます。さらにリモート保守サービス「ECOSYS NET」では、IoTを活用して製品の稼働状態を常時リモートで見守り続けています。ご利用中の製品にトラブルの予兆を検知した場合は必要なメンテナンスを実施し、故障による停止を未然に防ぎます。製品のダウンタイムを減らすことで、管理者様の負担も軽減します。

  • その3 問い合わせ対応を減らす

    ITに不慣れな学生によるトラブル対応や利用方法の問い合わせ対応は、管理者にとって大きな負担となっています。京セラ製品なら、「複合機の操作パネルからファクス機能の表示をなくす」といった対応が可能。学生が利用できる機能を制限することで、誤操作などによる問い合わせを軽減することができます。また、バウチャーチケットによるポイント追加を学生自身が行えるインターフェースを標準で用意するなど、管理者による対応を減らす工夫が盛り込まれています。

  • その4 周辺機器のメンテナンスを減らす

    一般的なプリント管理システムには、印刷ジョブを制御するための制御端末(PC)をプリンターや複合機の側に設置する必要があります。この制御端末は一般的なPCと同様にOSのアップデートやセキュリティーパッチの適応作業が必要となるため、管理者にとっての作業負担は小さくありません。京セラの製品は、プリンターや複合機本体にHyPASと呼ばれるプラットフォームを搭載しており、制御端末が不要であるため、上述のようなメンテナンス作業が一切不要となります。