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保険業界のDXの課題は?
メリットやデメリット、推進するための方法

2023.12.28

DX保険

保険業界のDXの課題は?メリットやデメリット、推進するための方法
DX(デジタルトランスフォーメーション)とはIT技術やデジタル技術などを活用して、業務プロセスの改善や更なる効率化を図り、組織や競争上の優位性を確立することです。国内では経済産業省が主導し、業界のDXを促進していますが、保険業界も例外ではなく、DXが推奨されております。IT技術やデジタル技術などの導入やデータ活用に取り組むことで、既存のビジネスモデルや業務プロセスに変革がもたらされ、サービス創出や新たな価値の提供が期待できます。

本記事では、保険業界でDX推進を行う際の、メリット・デメリットや推進する方法を解説します。自社の競争力強化を担うデジタル戦略のご担当者様は、ぜひ参考にお読みください。

目次

保険業界におけるDX推進の課題

現状の保険業界には、DX推進においてどのような課題があるのでしょうか。初めに、保険業界のビジネスの現状や、業務のDXに際しての課題をご紹介します。
保険業界におけるDX推進の課題

保険業界の現状

少子高齢化や長寿化が進む国内では、保険料が変化していくことが見込まれております。例えば、長寿化が進むことによって、一定期間内だけ保障される定期保険などは保険料が安くなることが見込まれていることや、定年となる年齢が上がることで収入保障保険などは保障期間が長くなり、保険料が高くなることが見込まれています。保険業界ではこうした社会の変化を受けて、テクノロジーやビッグデータを活用した新しい保険商品やサービスの開発が求められている状況です。

保険業界のDXの課題

データの活用が進んでいない

保険業界では、異業種と比べてDX推進で後れを取っている傾向にあります。収集したデータを活用する仕組みが構築されておらず、社内に蓄積されたデータを商品開発へ活用できていない企業も少なくありません。また、業界ではデータ分析の専門家である「データサイエンティスト」などのDX人材が不足しています。

セキュリティー対策の高度化が求められる

保険業務では多くの個人情報を取り扱うことから、情報漏えいを防ぐためのリスク対策が欠かせません。DX推進においても、情報セキュリティーの強化や社員の意識向上が必須となります。適切なセキュリティーツールを導入し、さらに社内向けセキュリティー教育を充実させ社員のリテラシーを向上させることが大切です。業務効率化を実現しながら、社内のセキュリティー体制強化も求められます。

業務でアナログが占める割合が大きく、デジタル化が難しい

保険業界では、手続きの際に契約書類や個人情報書類が用いられ、依然として紙文化が根強く残っています。紙書類による手続きに慣れ親しんだ世代の顧客も多いことから、サービスを完全にデジタル化するのが難しい点が課題です。紙書類の作成や管理といったアナログ業務には多くの手間がかかります。多様な顧客のニーズへ柔軟に応えながらも、オペレーションを効率化する必要があります。

保険DXのメリットとデメリット

保険業界でDXの実現を目指して取り組む場合、どのようなメリット・デメリットが予測されるのでしょうか。DXへ向けて理解しておくべきポイントをご紹介します。
保険DXのメリットとデメリット

保険DXのメリット

顧客体験の向上につながる

DXによるサービス創出で、顧客一人ひとりに適した保険商品を提供できるようになります。例えば、保険代理店では、利用者の登録データを分析して提案に活用することで、顧客のライフプランに適切な保険商品を案内することが可能です。多様化する顧客ニーズに応えやすくなり、顧客体験や満足度の向上が期待できます。

人手不足を解消できる

保険の審査業務にAIを導入することで、審査を自動化できます。従来は顧客一人ひとりに対して審査を行う工数が発生していました。しかし、過去の審査情報や顧客情報などのデータをAIに蓄積することで、より効率的で精度の高い審査を実現できるようになります。結果として、短時間で多数の審査に対応可能となり、生産性向上や人手不足の解消につながります。

コストを削減できる

保険業務で扱う書類を電子化すると、管理コストの削減や事務手続きの簡略化につながります。例えば、今まで郵送にて対応をしていた書類を電子化することで、電子メールでの送付が可能となり、郵送にかかっていたコストを削減することができます。また、書類の電子化は、顧客の利便性を高める点も大きなメリットです。顧客は保険代理店へ足を運ぶことなく、インターネットを通じてスマートフォンやPCから保険に申し込めるようになります。オンライン上で保険加入から保険金支払までの手続きを完結できます。

保険DXのデメリット

技術的な問題がある

膨大な量のデータを分析するには高度な技術が求められることから、DX人材による支援が不可欠です。また、自社独自のシステムを開発するには、金銭面および技術面で多くの負担が発生します。

デジタル格差に対応できない

IT機器の操作に不慣れな高齢者層は、DXにより導入した新規システムを利用するのが難しい傾向にあります。オンラインで手続きできない顧客がいることも踏まえた上で、体制を検討する必要があります。

機械的な対応に顧客が不満を持つ

DXにともない問い合わせ窓口に自動応答システムを導入すると、顧客が不満を持つおそれがあります。自動応答で顧客の求める回答を提示できない可能性や、機械的なサポートに抵抗を感じる顧客もいることを考慮しなければなりません。

保険業界におけるDX推進の一般的な事例

最後に、保険業界におけるDX推進の取り組み事例をご紹介します。DXへ向けて施策を検討されているご担当者様は、ぜひ参考にお読みください。
保険業界におけるDX推進の一般的な事例

紙書類を効率的にデジタル化する

紙書類を扱う業務では、印刷にかかるコストや、保管場所や適切な保管方法の実施などの管理コストがかかるほか、押印作業や廃棄などについても手間やコストがかかっています。しかし、スキャンした文書を自動で仕分けする機能を搭載した複合機を導入したことで、事務作業の手間を減らし、社員が重要業務に注力しやすくなりました。また、管理コストの削減をすることもできました。

セキュアにデータ保存・管理する

企業にとってマルウェアやウイルスの感染や不正アクセスなどによる情報漏洩は大きなリスクとなりますが、 安全な情報保存を実現する企業向けクラウドやサーバーを導入することで、情報漏えいや不正アクセスを防止し、セキュアにデータを扱える社内環境を整備できます。また、セキュリティーリスクを抑えながらDX推進に取り組めました。

顧客の待機時間を短縮する

直接コールセンターに電話をかけると待機時間が発生する可能性があり、顧客の負担やストレスになることがありますが、保険会社のコールセンターにコールバック予約システムを導入することで、オペレーターが通話中の場合は音声ガイダンスによる受け付けができることや、後からかけ直しができるようになり、機会損失を防ぐことができました。

撮影した保険証券で加入保険の保障内容を確認する

加入保険の保障内容を確認するには、紙面の確認を行うか、ホームページ等を確認しに行く必要があり、顧客が保障内容を把握しておらず、費用対効果の観点から解約になってしまうケースがあります。ただ、保険証券を撮影することで加入保険の保障内容を確認できるシステムを導入したことで、顧客が契約内容を簡単にチェックできるようになり、安心感が増したことで顧客満足度が上がりました。また、保障内容に関する問い合わせに関しても減少する為、工数削減にもつながりました。

AIが自動車事故の状況を判断する

自動車事故が発生した際は保険金を算出するために、保険会社の社員が事故現場に出向き、調査をする必要があります。現場に向かう時間を含め、保険金の算定までにかかる時間は効率化をすることができませんでしたが、保険会社が契約時にドライブレコーダーを提供し、IoT機器が記録したデータに基づいてAIで事故状況を分析する施策を行いました。結果としては、保険会社の社員が事故現場へ出向いて調査する必要がなくなり、工数の削減につながりました。

保険業界のDX推進で活用できるソリューション

ここまで保険業界のDX推進について解説しました。保険業界では現在、紙書類とデジタルが併用されておりますが、業務の性質上、依然として紙文化が根強く残っています。また、高齢者層のデジタル格差が懸念されており、今後はデジタルに移行できない人への対応をどのようにするかが効率化の課題となります。そこで、まずは課題解決の一つとして、身近で導入しやすい紙書類のデジタル化を推進してみてはいかがでしょうか。

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