人材確保等支援助成金(テレワークコース)の概要と申請時の注意点
2022.10.31
補助金・助成金働き方改革
社内の働き方の環境向上に役立つテレワーク。コロナ渦で導入を悩まれた方も多いのではないでしょうか。多くの企業が人材の確保で課題を抱えていることから、多様な働き方を実現し、魅力ある職場づくりが注目されている状況です。今回は、テレワークの推進に活用できる助成金をご紹介します。
人材確保等支援助成金に新設された「テレワークコース」は、これからテレワークを実施する企業におすすめの制度です。本記事でお伝えする情報を参考に、ぜひ申請をご検討ください。
人材確保等支援助成金に新設された「テレワークコース」は、これからテレワークを実施する企業におすすめの制度です。本記事でお伝えする情報を参考に、ぜひ申請をご検討ください。
お役立ち資料
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人材確保等支援助成金の基礎知識
「人材確保等支援助成金」とは、労働環境の向上を図るために、事業者や事業協同組合などに対して支給される助成金の1つです。助成金を活用した魅力のある職場づくりを目的として助成が始まりました。2022年10月現在、9つのコース(一部新規受付を休止)が運用されています。助成金の要件の詳細や申請先について、詳しくは都道府県労働局の職業安定部職業対策課(助成金センター)のWebサイトをご参照ください。
人材確保等支援助成金とは
「人材確保等支援助成金」とは、労働環境の向上を図るために、事業者や事業協同組合などに対して支給される助成金の1つです。助成金を活用した魅力のある職場づくりを目的として助成が始まりました。2022年10月現在、9つのコース(一部新規受付を休止)が運用されています。助成金の要件の詳細や申請先について、詳しくは都道府県労働局の職業安定部職業対策課(助成金センター)のWebサイトをご参照ください。
【参考】助成金のお問い合わせ先・申請先(厚生労働省)
URL:https://www.mhlw.go.jp/general/seido/josei/kyufukin/toiawase.html
【参考】助成金のお問い合わせ先・申請先(厚生労働省)
URL:https://www.mhlw.go.jp/general/seido/josei/kyufukin/toiawase.html
2021年の制度変更(新設・廃止)の概要
2021年には、人材確保等支援助成金にコースの新設や廃止が行われました。制度変更によって新設されたのは「テレワークコース」です。一方で、既存の「雇用管理制度助成コース(建設分野)」「介護・保育雇用管理制度助成コース」「設備改善等支援コース」「働き方改革支援コース」は廃止となりました。新設されたテレワークコースは、コロナ禍で急速に広まった在宅勤務の需要拡大により、多くの企業から注目されています。
人材確保等支援助成金(テレワークコース)の詳細
新型コロナウイルスの影響でテレワークが急速に広まったことで、人材確保等支援助成金の「テレワークコース」が注目を集めています。しかし、ビジネスシーンにおけるテレワークや在宅ワークの普及は前例がないため、何から取り組むべきか担当者を悩ませるケースも少なくないようです。
そんなとき、テレワークコースの概要を理解すると、自社のテレワーク導入においてやるべきことが見えてきます。ここでは、コースの詳細をお伝えします。
そんなとき、テレワークコースの概要を理解すると、自社のテレワーク導入においてやるべきことが見えてきます。ここでは、コースの詳細をお伝えします。
テレワークコースとは
人材確保等支援助成金の「テレワークコース」とは、テレワークの導入に関連した、中小企業事業者向けの助成金システムです。テレワークの導入によって、従業員の人材確保や雇用管理の改善をはじめとした成果を上げた場合に、助成金を受給できます。人材確保の支援に加えて、テレワークの職場定着も目的となっている点が特徴です。2021年12月の改正では、すでにテレワークを導入した企業に限らず、テレワークを試行的に導入している企業も対象に含まれることになりました。勤務体制の整備にお役立てください。
テレワークコースの主な受給要件と支給額
助成 | 支給額 |
---|---|
機器等導入助成 | 1企業あたり、支給対象となる経費の30% ※ただし以下のいずれか低い方の金額を上限とする。 ・1企業あたり100万円 ・テレワーク実施対象労働者1人あたり20万円 |
目標達成助成 | 1企業あたり、支給対象となる経費の20%(生産性要件を満たす場合35%) ※ただし以下のいずれか低い方の金額を上限とする。 ・1企業あたり100万円 ・テレワーク実施対象労働者1人あたり20万円 |
テレワークコースの要件は、「機器等導入助成」と「目標達成助成」の2段階に設定されています。どちらか一つの要件を満たすと、企業あたり最大100万円が受給できます。または、対象労働者1人あたり最大20万円の受給が可能です。このうち目標達成助成は、生産性向上で一定以上の成果をあげて要件を満たした企業が、助成金額の割増を受けられる仕組みとなっています。どちらの上限も100万円のため、2つの要件を両方満たすことで最大200万円を受給できます。
テレワークコースの支給対象となる経費の範囲
テレワークコースでは、テレワーク用の通信機器の購入や、就業規則の変更にかかった費用の一部が助成されます。支給対象となる経費は以下の通りで、テレワーク用のサービス利用料も含まれます。助成率は最大65%で、金額上限は200万円です。
2.外部専門家によるコンサルティング
3.テレワーク用通信機器等の導入・運用
4.労務管理担当者に対する研修
5.労働者に対する研修
2021年12月の改正により、テレワークの導入にかかる費用に加えて、テレワークにかかるサービス料も助成の対象となりました。以下のサービス料のうち、初期費用合計5万円(税抜)、利用料合計35万円(税抜)まで助成を受けられます。
2.仮想デスクトップサービス
3.クラウドPBXサービス
4.Web会議等に用いるコミュニケーションサービス
5.ウイルス対策及びエンドポイントセキュリティサービス
【支給対象の経費一覧】
1.就業規則・労働協約・労使協定の作成・変更2.外部専門家によるコンサルティング
3.テレワーク用通信機器等の導入・運用
4.労務管理担当者に対する研修
5.労働者に対する研修
2021年12月の改正により、テレワークの導入にかかる費用に加えて、テレワークにかかるサービス料も助成の対象となりました。以下のサービス料のうち、初期費用合計5万円(税抜)、利用料合計35万円(税抜)まで助成を受けられます。
【支給対象のサービス料一覧】
1.リモートアクセス及びリモートデスクトップサービス2.仮想デスクトップサービス
3.クラウドPBXサービス
4.Web会議等に用いるコミュニケーションサービス
5.ウイルス対策及びエンドポイントセキュリティサービス
テレワークコースの申請方法
Step1.テレワーク実施計画の認定申請
まずは、テレワーク実施計画を作成して、必要な書類とともに管轄の労働局へ認定申請を提出します。提出期限は、「テレワークに対する取り組みを実施する予定日のうち最も早い日の1カ月前の前日」か、または「評価期間開始予定日1カ月前の前日」の、いずれか早い日までです。たとえば、テレワーク用の通信機器の購入予定日が令和3年9月10日で、評価期間(機器等導入助成)の開始予定日が令和3年10月1日だとします。この場合、認定申請は令和3年9月10日の1カ月前の前日(令和3年8月9日)までに提出する必要があります。
計画に変更が生じる場合は、変更内容に応じて変更書を提出し、再度認定を受けなければなりません。提出期限に余裕をもって手続きを進めるようおすすめします。
Step2.支給申請(機器等導入助成)
認定を受けた計画書の通りに、テレワーク導入の準備を進めて、機器等導入助成の評価期間にテレワークを行います。その後、機器等導入助成の支給申請を行う流れです。認定を受けてから7カ月以内に、管轄の労働局へ支給申請書をご提出ください。その際、就業規則でテレワークの制度を規定し、評価期間にテレワーク実施基準を満たす必要があります。Step3.支給申請(目標達成助成)
目標達成助成の評価期間にテレワークを行います。評価期間は、機器等導入助成の初日から1年を経過した日より数えて3カ月間です。期間が終了したら、翌日から1カ月の間に管轄の労働局へ目標達成助成の支給申請ができます。なお、目標達成助成の申請条件は、離職率目標を満たすことと、テレワーク実施基準を満たすことです。テレワークコースの過去の改正内容一覧
テレワークコースは2021年4月1日に新設され、2回の改正が実施されました。2021年12月の改正では対象者が広がり、2022年4月の改正では社員への周知が要件に加わっています。今後、申請される際は、以下の表で改正のポイントをご確認ください。
改正日 | 概要 | 改正内容 |
---|---|---|
2021年12月21日 | 支給要領を改正 | テレワーク勤務を、新規に導入する事業主のほか、試行的に導入している又は試行的に導入していた事業主も対象者に変更。 |
2022年4月1日 | 支給要領を改正 | 助成金の利用の要件として、事業主に対し、全労働者に向けて「企業トップからのメッセージ発信・社内呼びかけ」や「事例収集及び社内周知」が必要となる。 |
人材確保等支援助成金(テレワークコース)を利用する際の注意点
人材確保等支援助成金の申請にあたり、社内ではどんな点に注意すべきでしょうか。最後に、テレワークコースを利用する企業が注意しておきたいポイントをご紹介します。
助成金の申請から支給までにはタイムラグがある
テレワークを実施してから申請後に助成金が支給されるまでには一定の時間がかかります。テレワークの制度整備は助成金ありきではなく、導入する目的を明確にした上で、中長期的な組織の改善を見越して施策を進めることが重要です。また、助成の要件はコースごとに細かく設定されています。そのため、難易度を確認して、自社の達成の可能性をよく検討するようおすすめします。
不支給要件について確認しておく
雇用関係助成金支給要領の不支給要件に該当する場合には、助成金を受給できません。不支給となる11の項目(要件の「イ」から「ル」まで)に該当しないか、事前に確認しておくと安心です。たとえば、「不正受給の申請をしている」「風俗営業等関係事業主である」「労働関係法令の違反をしている」といったケースでは不支給となります。
上記の不支給要件の詳細については、厚生労働省「雇用関係助成金支給要領 共通要領」でご覧いただけます。事前に「0303 不支給要件」の項で、「イ」から「ル」までの内容をご確認ください。
【参考】雇用関係助成金支給要領 共通要領 0303(厚生労働省)
URL:https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000923718.pdf
上記の不支給要件の詳細については、厚生労働省「雇用関係助成金支給要領 共通要領」でご覧いただけます。事前に「0303 不支給要件」の項で、「イ」から「ル」までの内容をご確認ください。
【参考】雇用関係助成金支給要領 共通要領 0303(厚生労働省)
URL:https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000923718.pdf
人材確保等支援助成金で新設のテレワークコースを活用しましょう
本記事では、人材確保等支援助成金のテレワークコースについてご紹介しました。新設されたテレワークコースは、テレワーク導入へ向けた就労環境の整備から、テレワークで利用するサービスの料金まで、幅広く助成を受けられます。テレワークによって多様な働き方を実現し、自社の労働環境を向上させるために、助成金を活用してはいかがでしょうか。
お役立ち資料
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