自治体でDXを実施した事例｜
変革で実現できることやポイント

2022.9.2

DX業務効率化

IT技術の発展の影響を受けて、ビジネスシーンで新たなテクノロジーの活用が期待されています。例えば、AI（人工知能）・ICT（情報通信技術）・IoT（モノのインターネット）などが具体例です。今後は民間企業のみに限らず、行政サービスにおいてもビッグデータ活用やオンライン化の普及促進が見込まれます。

こうした背景から、全国の地方自治体でもDX（デジタルトランスフォーメーション）推進への注目が集まっています。職員の業務効率を高めたり、地域住民のニーズを満たすサービスを提供したりすることで、業務改革や満足度向上につながる可能性があります。

DXとは、進化したデジタル技術を浸透させ、人々の生活をより良いものに変革していく試みを意味する用語です。2018年12月に経済産業省が発表した「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン」がきっかけとなり、広く認知されました。

本記事では、デジタル社会において自治体がDXを実施した事例をご紹介します。DX推進の効果や施策を成功へ導くポイントにも触れるため、ぜひ参考にお読みください。

【出典】「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン」（経済産業省）
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/dx/dx_guideline.pdf

自治体がDXの実施で実現できること

地方自治体がDXを実施すると、どのようなメリットや効果が得られるのでしょうか。初めに、自治体がDX化に取り組むべき理由や必要性をお伝えします。

ペーパーレスの推進

自治体の業務にデジタル技術を浸透させると、紙の書類を使う場面が全体的に減少します。ペーパーレス化では、印刷にかかるコストを削減できるほか、資料のファイリングなどのアナログ作業や、保管スペースが不要となる点もメリットです。災害による書類の紛失・破損を避ける防災対策にも有効といえます。さらには、印刷した紙の放置や持ち去りも起こりにくくなるので、情報セキュリティー強化にもつながります。

レガシーシステムからの脱却

DX推進により、長い間にわたり依拠してきた「レガシーシステム」から、より便利で効率的なシステムへの移行が期待できます。レガシーシステムとは、過去に導入して以降、改修しながら使用を続けた独自のシステムのことです。度重なる修繕や機能追加の結果、ブラックボックス化しているシステムも多いため、経済産業省のガイドラインにおいても問題視されています。レガシーシステムは、細かい仕様や全体像を誰も把握していない状態を招きやすいので、今後も使用を継続する場合に多くのリスクが懸念されます。こうした既存の情報システムを刷新するのは、将来的にさらなるデジタル技術を導入する上でも重要です。

人員配置の適正化

自治体業務の一部を機械やシステムに置き換えて自動化すると、DX化以前と比べて職員の業務量を減らすなど、効率化を図れる可能性があります。その一方で、ツールで置き換えができないコア業務のリソースを充実化させれば、より重要性の高い仕事に人員を割いて生産性を高められるのがメリットです。人員配置が適正化されると、人手不足の解消や人件費の削減につながります。

コストの削減

現状の業務で紙などの消耗品を使用している場合は、DX化によって補充にかかる費用を削減できます。消耗品自体のコストはもちろん、補充や設備の管理にかかる手間、発注対応にかかる時間など、幅広いコストをトータルで削減できる可能性があります。そのため、DX推進ではイニシャルコストからランニングコストまでを視野に入れることが大切です。例えば、最小限のメンテナンスで済む機械やシステムを導入して、製品のダウンタイムを削減するのもDXの一環といえます。

住民の利便性向上

業務のDX化は行政機関で働く人だけでなく、住民の視点でも多くのメリットがもたらされます。例えばインターネットを活用するシステムの整備を行えば、オンライン申請などの新たなサービスを提供し、窓口のほか自宅や出先でも行政手続きができるようになります。時間や場所の制約なく手続きできる制度を構築すれば、住民の負担が軽減され、行政サービスの満足度向上に効果的です。

業務のDX化に成功した自治体の事例

ここでは、京セラドキュメントソリューションズと連携し、DX化に成功した自治体の導入事例をご紹介します。具体的な取り組み方や課題解決までの流れをお伝えするため、ぜひご一読ください。

従業員数約2万人規模のA市役所では、既存の業務フローにおいて個人情報が含まれるドキュメントを紙で管理していました。そこで課題となったのが、ヒューマンエラーによる情報漏えい問題です。業務では日頃からミスプリントや放置プリントが発生し、個人情報漏えいのリスクが高い状態となっていました。こうした背景から、A市役所では運用体制の見直しを検討し、情報セキュリティー強化を目的に当社と連携することになったのです。

当社がA市役所に提案したのは、情報セキュリティー強化に効果的な「TASKGUARD IDマネージメントシステム」です。こちらは複合機のオプション機能であり、利用者のIDカードで認証してドキュメントが出力される仕組みとなっています。サーバーレスで運用できるオプション機能のため、高額な初期コストの負担は発生しません。IDカードをかざすだけの簡単な操作のみで、書類の放置や持ち去りを予防できるようになりました。

A市役所の事例のように、業務プロセスに適切なソリューションを導入すれば、低コストでDX化を実現できる可能性がございます。自治体のDX推進は、お気軽に当社までお問い合わせください。

自治体でDXを推進する際のポイント

DX化は、単なるデジタル化やシステム導入とは異なります。自治体のDX推進を成功へ導くには、以下のポイントを押さえて取り組めると理想的です。

実現したいことをはっきりとさせる

DXはあくまで手段であり、目的ではありません。重要なのは、施策によって組織の仕事をより良くすることです。業務のデジタル化やシステムの導入が目的とならないようご注意ください。まずはDXの手法でどのような働き方を実現したいかを明確にする段階から始めるようおすすめします。

　

小さなステップから始める

DX化の進め方は、一気に改革を進めるよりも、小さなステップから始めるのがポイントです。計画が壮大になりすぎていたり、取り組む作業が多くなりすぎていたりするのが要因で、頓挫してしまうケースもあります。初めは小さな改革からスタートして、計画・実施・改善のサイクルを繰り返しながら、徐々に仕組みを変えるのがコツです。

　

デジタル人材を確保する

DX推進のプロジェクトでは、組織を率いる役割を担うデジタル人材が求められます。特に、プロジェクトの中心となるDX人材は、ITスキルやITリテラシーだけでなく、マネージメントのスキルも必須となります。人材採用や人材育成による確保が困難な場合は、民間企業から支援を受けるのも一つの方法です。人材不足でお困りの際は、ソリューションを提供している企業との連携もご検討ください。

　

成功事例を参考に自治体のDX化を推進

自治体のDX事例を踏まえながら、効果や施策を成功へ導くポイントをご紹介しました。DXを加速させると、職員の働き方が改善されるだけでなく、地域住民へこれまで以上にスマートな行政サービスを提供できる可能性があります。当社ソリューションの活用事例のように、低コストでDX化を実現できるケースもございます。自治体のDX戦略は、ぜひ京セラドキュメントソリューションズにお任せください。

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