書類をデータ化するスキャン保存とは?電子帳簿保存法改正に伴う影響
2022.2.14
業務効率化複合機
電子帳簿保存法に基づき、仕訳帳・総勘定元帳・損益計算書・領収書などの国税関係帳簿書類を電子保存することができます。ただし、従来は厳しい要件があったことから、広く浸透していない背景がありました。そこで、導入企業が増えるように施行されたのが、2022年1月の改正電子帳簿保存法です。今回は、電子帳簿保存法におけるスキャナ保存制度の概要や、改正後のポイント、スキャン保存のメリット・デメリットなどについて解説します。
お役立ち資料
改正電子帳簿保存法施行!企業の必須対応事項とは?
電子帳簿保存法の改正ポイントや、対応事項をわかりやすく解説。本資料で、電帳法に関する対応漏れがないか確認しましょう。
スキャナ保存制度の内容
スキャナ保存制度とは、どういった内容の制度なのでしょうか。こちらでは、スキャナ保存制度の内容や普及が進んでいない理由、法改正の影響などを確認していきます。
スキャナ保存制度とは?
スキャナ保存制度とは、特定の条件を満たせば、取引で発生する紙の書類を電子データ化して保存できる制度のことです。電子帳簿保存法で定められています。電子帳簿保存法とは、国税関係帳簿書類を電子化する際の要件について規定した法律です。保存義務がある帳簿や取引関係書類などを、電磁的記録によって保存することを認める法律となります。
スキャナ保存制度により、一定の法的要件を満たすことで、各種書類をデータ保存できます。対象書類は領収書・請求書・契約書・見積書などです。電子データ化した後、条件を満たせば紙の書類は廃棄して問題ありません。スキャンのほか、スマホのカメラ撮影で画像データ化することも認められています。
スキャナ保存制度により、一定の法的要件を満たすことで、各種書類をデータ保存できます。対象書類は領収書・請求書・契約書・見積書などです。電子データ化した後、条件を満たせば紙の書類は廃棄して問題ありません。スキャンのほか、スマホのカメラ撮影で画像データ化することも認められています。
スキャナ保存制度が普及していない理由
これまで、スキャナ保存制度を導入して書類を電子保存するには、複数の規定に従う必要がありました。主なものは以下の通りです。
・内容の改ざんが行われていないことを証明するタイムスタンプは、3日以内に付与する
・電子データで保存する際には、税務署からの事前承認が必要
・不正防止のため複数人で管理する体制を置く
・書類の受領者による電子署名が必要 など
スキャナ保存制度が浸透していないのは、こういった規制が多かったことも理由であると考えられています。制度を利用したくても対応が難しく、実際の運用には至らないケースが見られました。
・内容の改ざんが行われていないことを証明するタイムスタンプは、3日以内に付与する
・電子データで保存する際には、税務署からの事前承認が必要
・不正防止のため複数人で管理する体制を置く
・書類の受領者による電子署名が必要 など
スキャナ保存制度が浸透していないのは、こういった規制が多かったことも理由であると考えられています。制度を利用したくても対応が難しく、実際の運用には至らないケースが見られました。
電子帳簿保存法改正に伴う影響
2022年1月、経理業務の生産性向上やクラウド会計ソフト活用による記帳水準向上、テレワーク推進などを目的として、電子帳簿保存法が改正されました。改正では、スキャン保存の要件緩和が行われ、ペーパーレス化を推進しやすくなったのがポイントです。主な変更点は以下の通りです。
・税務署に申請しなくても適用可能
・検索要件の緩和
・適正事務処理要件の廃止
・タイムスタンプは条件を満たせば不要
従来は税務署への申請が必要でしたが、要件を満たせば承認申請なしで導入できるようになりました。タイムスタンプを付与する場合でも、書類を受け取ってから最長2カ月と7営業日までに付与期間が延長されます。従来の3日と比べ、大幅に付与期間が延びました。書類への自署も必要ありません。
スキャン保存が済んだ原本はすぐに破棄できます。これまでは、不正や不備が生じないために「相互けん制」や「定期検査」などの要件が設けられており、年に1回の定期検査まで原本を保管しておく必要がありました。定期検査時は税理士や経理担当者などによってチェックが行われていましたが、検査自体も必要なくなります。
ほかにも、「電子取引の電子保存の義務化」により、これまで電子取引情報は書面もしくは電子データでの保存が必要だったところ、電子保存のみが認められるようになりました。ただし、電子保存の義務化には2年の猶予期間が設けられています。
※出典:「電子帳簿保存法が改正されました」(総務省)
URL:https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/pdf/0021005-038.pdf
・税務署に申請しなくても適用可能
・検索要件の緩和
・適正事務処理要件の廃止
・タイムスタンプは条件を満たせば不要
従来は税務署への申請が必要でしたが、要件を満たせば承認申請なしで導入できるようになりました。タイムスタンプを付与する場合でも、書類を受け取ってから最長2カ月と7営業日までに付与期間が延長されます。従来の3日と比べ、大幅に付与期間が延びました。書類への自署も必要ありません。
スキャン保存が済んだ原本はすぐに破棄できます。これまでは、不正や不備が生じないために「相互けん制」や「定期検査」などの要件が設けられており、年に1回の定期検査まで原本を保管しておく必要がありました。定期検査時は税理士や経理担当者などによってチェックが行われていましたが、検査自体も必要なくなります。
ほかにも、「電子取引の電子保存の義務化」により、これまで電子取引情報は書面もしくは電子データでの保存が必要だったところ、電子保存のみが認められるようになりました。ただし、電子保存の義務化には2年の猶予期間が設けられています。
※出典:「電子帳簿保存法が改正されました」(総務省)
URL:https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/pdf/0021005-038.pdf
書類をスキャン保存するメリットと注意点
紙資料をデジタル化するには、ワークフローシステムや職場環境の見直しが必要です。ペーパーレスの実現にあたり、スムーズな導入や運用のポイントを解説します。
スキャン保存をするメリット
紙の書類を保存するスペースを削減できる
受領した書類をファイリングや封筒やダンボールなどへの収納で保管しているケースも多く見られます。紙の書類が大量になると保管用のスペースも必要です。 データ化した書類は物理的な場所がなくても保管できるようになります。スペース削減や管理コスト削減へつなげられる点が魅力です。
テレワークを進めやすくなる
働き方改革や新型コロナウイルスの影響でテレワークを検討する企業が増えています。そこで問題となっているのが、自宅とオフィスでの紙の書類のやり取りです。なかには書類の受け渡しをするために出社するケースも見られます。こういった状況が続くと、従業員の業務効率にも影響を与えかねません。
書面をスキャンしてデータ化すると、電子メールやチャットツールなどでやり取りできるようになります。デジタル化により、事務処理や経費精算などのスムーズな遂行を実現できます。
書面をスキャンしてデータ化すると、電子メールやチャットツールなどでやり取りできるようになります。デジタル化により、事務処理や経費精算などのスムーズな遂行を実現できます。
スキャン保存をする際の注意点
スキャンしたデータの改ざんが発覚するとペナルティが課される点に注意が必要です。デジタルデータを改ざんした場合、重加算税に10%荷重された額が徴収されます。
スキャナ保存制度を利用する条件
スキャン保存を始めるにあたっては、検索機能の設定や変更・削除履歴を残せるシステム構築などが必要です。滞りなく導入を進めるために、以下の条件をご確認ください。
データ化した書類は検索できるように整理する
スキャンしたデータは、画像の状態では保管の条件を満たしていません。取引先名、取引の年月日、金額で検索できることが条件となります。ただし、税務調査の際に税務署からのデータ提供に応じる場合、組み合わせ検索はできなくても問題ありません。
タイムスタンプかデータの変更履歴が残るシステムが必要
電子帳簿保存法には、「真実性の確保」や「可視性の確保」の要件が定められています。データの改ざん防止のために設けられているルールです。そのため、スキャン保存を行うにあたって、タイムスタンプやデータの変更履歴を残せるシステムを構築する必要があります。
紙の書類と比べて、電子データは改ざんされた痕跡がわかりにくいため、タイムスタンプで改ざんが行われていないことを客観的に証明することが求められます。データの変更や削除の事実が履歴として残るシステムにデータを保管する場合、タイムスタンプの付与は不要です。いずれも専用のソフトウェアが必要になることが多いため、自社に導入できるものを探しておくと安心です。
紙の書類と比べて、電子データは改ざんされた痕跡がわかりにくいため、タイムスタンプで改ざんが行われていないことを客観的に証明することが求められます。データの変更や削除の事実が履歴として残るシステムにデータを保管する場合、タイムスタンプの付与は不要です。いずれも専用のソフトウェアが必要になることが多いため、自社に導入できるものを探しておくと安心です。
要件を満たすスキャナーが必要
スキャン保存には、真実性の確保の目的で、解像度および読み取りの要件が規定されています。重要書類の解像度は200dpi以上、赤色、青色、緑色のカラーがそれぞれ256階調以上であることが要件です。見積書・注文書・検収書など、資金や物の流れに直結しない書類はグレースケールでのデータ化も認められています。上記の要件を満たせるようなスキャナーを準備することが大切です。
スキャン保存の要件を満たすおすすめの複合機
スキャナ保存制度を活用するためには、一定水準以上の機能を持つ複合機の導入がおすすめです。こちらでは、スキャン保存の要件を満たす複合機をご紹介します。
カラーA3複合機
TASKalfa 2554ci
幅広いスキャン・プリントに対応できるカラーA3複合機です。領収書のように小さな原稿を複数枚スキャンしたいときも、まとめてスキャンするだけで、自動で1枚ずつのファイルへと変換できます。原稿送り装置「DP-7170」を装着すれば、両面原稿の表と裏を、一度にフルカラー274ページ/分で高速スキャンも可能です。また、重送検知機能により、紙の重送を防ぐことができます。ステープル検知機能も搭載しているため、ステープルの針がついた状態の原稿を誤ってスキャンしてしまうトラブルも防止できます。
カラーA3複合機
TASKalfa 352ci
390mm×577mmのコンパクトさが特長のカラーA3複合機です。デスクサイドやカウンター内など、さまざまな場所に省スペースで設置できます。モバイルアプリとの連携により、スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末からもスキャン・プリントが可能です。7インチの大型タッチパネルにより、A3複合機と同様の操作性の良さを実現しています。
モノクロA4複合機
ECOSYS M3645idn
大型カラータッチパネルによる操作で便利に使えるモノクロ複合機・コピー機です。主電源をつけてから約21秒で起動し、スタートボタンを押したら7秒で印刷がスタート。スムーズに業務を進められます。PDF・高圧縮PDF・JPEGなど、さまざまなスキャンフォーマットを選べるほか、サイズや解像度の設定も手軽に行えます。
スキャン保存を始めるには要件を満たす複合機の採用を
2022年1月の改正電子帳簿保存法施工により、承認制度の廃止やタイムスタンプ要件の緩和、適正事務処理要件の廃止などが行われ、幅広い企業がスキャン保存を取り入れやすくなりました。ただし、スキャナーで保存するデータの画質は、一定の条件を満たさなければいけません。要件に合う画像を保存できる複合機を取り入れましょう。
京セラドキュメントソリューションズでは、2022年の電子帳簿保存法改正に対応するソリューションを提供しています。新しくなった電子帳簿保存法に対応したスキャン保存のワークフローを社内に導入することが可能です。詳細は以下よりご確認ください。
京セラドキュメントソリューションズでは、2022年の電子帳簿保存法改正に対応するソリューションを提供しています。新しくなった電子帳簿保存法に対応したスキャン保存のワークフローを社内に導入することが可能です。詳細は以下よりご確認ください。
お役立ち資料
改正電子帳簿保存法施行!企業の必須対応事項とは?
電子帳簿保存法の改正ポイントや、対応事項をわかりやすく解説。本資料で、電帳法に関する対応漏れがないか確認しましょう。
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