コラム

外国人抜きには考えられない、接客現場の雇用事情

コラム2018/03/06

外国人抜きには考えられない、接客現場の雇用事情

増え続ける外国人労働者。流通業界においても活躍の場を広げ、日々存在感を増しています。今、貴重な人材を確保するためにも、彼らが働きやすい環境づくりが欠かせなくなっています。

深刻な人手不足の救世主

人口減・少子高齢化の影響は産業界に多くの影響を与えています。とりわけ、高騰する人件費に課題を抱える流通小売業における人手不足の問題はより一層深刻さを増しており、これを補っているのが日本に在住または留学中である外国人の存在です。

事実、外国人労働者の数は年々増え続け、2017年10月には過去最高の127万人に達しました。その中でも流通小売業で働く人の占める割合は増加傾向にあり、この業界における人手不足の問題を如実に物語っています。外国人労働者は、今後ますます増加し、活躍の場を広げていくことが予想されています。

深刻な人手不足の救世主

外国人労働者を雇う際に注意すべきこと

外国人労働者を雇う際に注意すべきこと

接客業では、「スタッフの接客レベル」が店舗の評価に直結します。そのため、以前の接客現場は、会話の流れやニュアンスを読み取り、お客様のご要望に沿った対応ができる日本人スタッフの割合がほとんどでした。しかし最近では、ごく日常的に外国人店員の接客を受ける場面が増えています。貴重な人材を活用してより多くの効果を出すために、外国人スタッフひとりひとりの業務の幅を広げ、ルーティンワーク以外の複雑な仕事もどんどん任せていくようになったのです。

しかし、その一方で、新たな課題も生じています。というのも、そのような複雑な業務に就いてもらう外国人には、単に日本語ができるというだけではなく、日本独自文化の理解や臨機応変な対応力など、高度なスキルを求めることになります。しかし、雇用主が求めるスキルレベルが事前に正しく伝わっていないと、採用後にトラブルになるケースもあるのです。

このような衝突を防ぐためにも、まずはじめに業務上で求めるスキルの理解や、給与や出勤休日条件など労務条件の合意を行うことが大変重要です。両者の認識を合わせることで、今後の離職トラブルなどを防ぐ効果にもつながります。

■文化の壁を乗り越えるためのフォロー

現場で精力的に働く彼らのモチベーションを維持するためには、いくつかの工夫が必要です。ここでは3つ例に挙げてみました。

■作業・フローのマニュアル化
外国人労働者に、言語や文化の壁を越えた臨機応変な対応を求めるなら、作業やフローのマニュアル化は欠かせません。
まず、接客時に想定されるシチュエーションを細かく具体的に洗い出します。その後、具体化した個々のシチュエーションへの応対をすべてドキュメントにまとめ、マニュアルとして蓄積し、全スタッフへ対応策を共通認識させるのです。マニュアルは、定期的に更新をかけることで、その時点で最も効果的なノウハウ集になると同時に、顧客満足度を高めるための無二の財産にもなっていきます。

■自動翻訳
2020年の東京五輪が近づき、注目度が増えている「自動翻訳」。スマホや翻訳デバイスに話しかけると、リアルタイムで翻訳し、機械音声で発話されるものが発表されています。日本語は機械翻訳が難しいとされていますが、人工知能や機械学習での翻訳品質の向上などにより、言葉の壁は少しずつ低くなってくるはずです。

■IT活用による業務のシンプル化
接客の時間を減らすため、セルフレジを導入したり、お客様にタブレットのボタンをタッチいただくだけで受付が完了するなど、コミュニケーションを簡素化しつつも、間違いのない接客が可能となるITインフラの活用が増えています。顧客にも従業員にもやさしい仕組みができ、スムーズな接客の実現が可能です。

上記以外にも、他国語対応ドキュメントの準備や、わかりやすい日本語を使った説明など、一緒に働く仲間をフォローできるよう、企業ぐるみで考えて行動していくことが重要です。こちらの記事では接客現場を外国人労働者が活躍できる場にするための仕組みづくりについて、ITで解決する方法を一例として紹介しています。あわせてご一読ください。

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