新規事業分野の研究開発を通じてグループに新たな利益をもたらす。

木曽 友香里Yukari Kiso

DPS統括技術部 第54技術部 PT53課
2013年入社 工学部 化学工学科卒
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WORK & PEOPLE INTERVIEW

WORK & PEOPLEINTERVIEW

目標とする印刷品質を満たす
インクの物性を追求する。

当社はこれまでプリンター事業において、粉体トナーを用いた電子写真方式の機種開発を行ってきました。DPS統括技術部では、新規事業である商業用インクジェット機の開発を行っており、私はインク開発の中でも物性測定や分析を担当しています。物性とは、その物質が持つ物理的な性質のことで、例えばインクジェット機のインクには「表面張力」「粘度」「密度」などの物性があります。私たちの役割は、目標とする印刷品質を実現するために、こうした様々な物性設計や測定、課題解決のための分析を行い、目標品質にとって最適な物性をもつインクを処方することです。
インクの開発では、物性と印刷性能がどのように紐づいているのかを考察し、それに基づいて処方検討を進めていきます。インクジェット機の開発は新規事業であるため参考にできる社内の知見は少なく、インクの開発も日々仮説を立て実験を繰り返すことの連続です。未知の分野における開発には多くの困難を伴いますが、複雑な現象を解明・解決していくことに、技術者としてのやりがいを感じます。

目標とする印刷品質を満たすインクの物性を追求する。

測定によって何を解決したいのか、
目的意識を持ち、データに魂を込める。

物性の測定や分析を行う上では、予期しなかった結果が出ることがあります。うまく測定できていなかったり、精度が悪かったりする測定上の問題からイレギュラーな結果が出ることもありますし、今までわかっていなかった差を見ることができた時に予期しなかった結果が出ることもあります。特に、導入して間もない装置で物性を測定していく際はこの切り分けをしっかり行う必要があります。
以前、私が新しい測定装置を用いた検証を担当することになった際、測定精度との間でとてもシビアな範囲での設計をしていました。重要なポイントは、その数字が測定したい値なのか、バラつきがどの程度あるのか、バラつきがない範囲で議論できる値はどの点なのかを把握することです。そこで実際に測定している者として、生のデータの挙動やサンプル・測定に使用する備品の状態をしっかり考察し、装置上のスペックや理論を理解した上で、正確な値が測定できているのかを判断し、どの点の値を議論の軸として採用すべきかを提案していきました。
測定をすれば何かしらの値は出てきますが、議論の目的に応じてデータの精度や見るべきポイントは異なります。測定担当者として、装置の原理やスペックをしっかり理解し、測定値に隠れた意味を汲み取りながら考察を進め、目的に応じたデータになっているかどうか見極めることは物性を測定するうえで大変重要になります。この経験を通じて、目的意識を持ち、測定者として責任をもって考察し「データに魂を込める」ことの重要性を改めて感じました。

測定によって何を解決したいのか、目的意識を持ち、データに魂を込める。

物性と品質の関連性の解明を通じて
インクジェット機のノウハウを蓄積。

各々の物性がどのようにインクの品質に紐づくのか、現状ではその把握が十分できているとはいえません。今は自分自身や社内にインクジェットの知見が少なく、ひたすら数をこなしている段階です。しかし、ただ漫然と数をこなすのではなく結果にしっかりと向き合い、原因を切り分けて検証し、メカニズムを解明していくことが重要だと感じています。
物性と品質がどのように紐づいているかについて解明が進めば、どのような物性をもつインクを設計したら良いかの詳細がわかってきます。すると、今度はその物性を作るにはどんな材料を用いればいいのかがクリアになります。今はノウハウの蓄積も兼ねて数をこなしている段階ですが、1日でも早く次の段階に進むことを目標に、物性と品質の関連性の解明に取り組んで行きたいと考えています。

物性と品質の関連性の解明を通じてインクジェット機のノウハウを蓄積。

ONE DAY SCHEDULE一日のスケジュール

8:30

出社

朝礼を終えた後、メールチェック。自身や他のメンバーの業務の進捗を確認。

9:00

打ち合わせ

昨日までのインクの評価時に発生したイレギュラーを共有。発生原因やその改善に向けたアクションプランに関するディスカッションを実施。

10:00

インク評価・分析

インクを構成する物性の取捨選択や分析、物性値の測定を行う。測定と並行して分析結果のチェックを行うこともある。

13:00

インク評価・分析

午前に引き続きインクの評価および分析を実施。必要に応じて論文も参考にしながら開発を進める。

17:30

評価結果のまとめ

定例報告会に向けて資料を作成。翌日の準備を済ませた後帰宅。

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WORK ENVIRONMENTチーム紹介

チーム紹介

私が所属しているインク開発チームは8名で稼働しており、ベテランと若手で構成されています。チームメンバーの半数は、インクジェット機の基礎研究を進めていた部署に所属していた社員で、その他のメンバーが粉体トナーの開発を手掛けていた若手、および新入社員となります。インクジェット機に関する知見の深さはメンバー間でかなり差があるものの、チーム内の会議では活発に意見の交換や質疑応答が行われています。社歴や年次の壁がなく、ベテランや若手が互いに遠慮することのないフラットな雰囲気が醸成されています。