製品の環境配慮

省エネ設計

稼働中の複合機・プリンターの消費電力は、FAXの待ち受けやLANへの接続のために常時消費する待機時電力と、印刷動作時にトナーを溶かして紙に画像を定着させる際に消費する電力が消費電力の大半を占めています。当社は、これらの電力消費を極限まで削減するため、さまざまな新技術を開発して製品に搭載しています。

新トナーの開発による環境負荷の低減

当社は、独自製法により、シャープメルトコアの表面を薄膜シェルで覆ったコア/シェルからなる新トナーを開発しました。
この新トナーは、従来のトナーよりも30℃以上低い定着温度にて定着を行うことが可能となり、その結果として、複合機・プリンターのTEC値を半減することができました。また、製造工程においても有機溶剤を一切使用しないことで、環境負荷を最小にすることができました。

● 新トナーのイメージ図

新トナーのイメージ図

● 従来トナーと新トナーとの、温度に対する粘度の変化および定着可能範囲の比較

従来のトナーと新カラートナーとの、温度に対する粘度の変化および定着可能範囲の比較

TEC値とは、概念的1週間(稼働とスリープ/オフが繰り返される5日間+スリープ/オフ状態の2日間)の消費電力量(TEC消費電力量)(kWh)です。

新定着システムの採用で大幅な低消費電力を実現

低熱容量定着システム

2017年に発売した、モノクロA4プリンター「ECOSYS P2040dw」は新開発の低熱容量定着システムを搭載することにより、消費電力を削減しました。
低熱容量定着システムでは、トナーを熱溶着させる加熱部材の熱容量を42%削減、従来機の加熱ローラーから金属ベルトと加圧パッドを用いることでトナーの加熱時間を長くすることを可能とし、消費電力に影響のある定着温度を下げることで実現しています。また、定着温度の低下は排気口から発生する臭気および各種用紙で発生するカール、封筒などで発生しやすい紙しわの低減にもつながります。

消費電力比較(TEC値)

従来機 新製品 効果
ECOSYS LS-2100DN ECOSYS P2040dn 37%削減
2,463(kWh/週) 1,545(kWh/週)

IH定着システム

2016年7月に販売を開始したカラーA3複合機「TASKalfa 6052ciシリーズ」 、モノクロA3複合機「TASKalfa 6002iシリーズ」では用紙上のトナーを熱溶着させるための定着システムとして、新開発のIH定着システムを採用し、消費電力削減と、節電モードからの復帰時間の短縮を図っています。
新開発のIH定着システムでは、従来のIH定着システムから熱容量の大きいスポンジローラーを無くし、固定パッドを用いることによって加熱時間の短縮が可能となり、消費電力で従来比38%、復帰時間で従来比67%の削減を実現し、省エネと利便性を両立させました。

待機時の消費電力を大幅に削減するコントローラーを開発

待機時電力0.7W以下のコントローラーを独自技術で開発

新開発の省エネコントローラー
新開発の省エネコントローラー

消費電力の低減やCO2の削減が求められる中、オフィスにおけるプリンターや複合機の待機時電力の削減は重要な課題となっています。さらに、機器のスリープ状態からの印刷においてもお客さまの操作性や生産性を極力落とさない利便性が求められています。
そこで2017年1月に販売を開始したモノクロA4プリンター「Ecosys P3060dnシリーズ」では、スリープ時の待機電力を必要最小限に抑えるとともに、スリープ状態から自動復帰可能なインターフェースの改良を行った新開発の省エネコントローラーを搭載しました。
この新開発の省エネコントローラー搭載により、お客さまの操作性や生産性を落とすこと無く、業界トップクラスのスリープ時待機電力0.7W以下を実現しました。

省資源設計

使用済トナーコンテナをトナー回収タンクとして再利用

2016年7月に販売を開始した、カラーA3複合機「TASKalfa 6052ciシリーズ」では、業界初の機能として、使い終わったあとのブラックトナーのコンテナを廃トナーの回収タンクとして再利用できる機能を採用しています。従来、廃トナーの回収には、回収タンクが必要となり、廃トナーで一杯になった場合、別の回収タンクと交換しなければなりませんでした。しかしながら、使用済みとなったトナーコンテナを回収タンクとして再利用することで、部品点数を削減することにより、省資源化およびコストの削減を図ることができました。
そして、この「使い終わったトナーコンテナを回収タンクとして再利用できる機能」を含め、ドキュメント機器に関する独立調査機関である米国Buyers Laboratory LLCより高い評価を頂き、「2016 BLI Outstanding Achievement in Innovation award」を受賞することができました。

使用済トナーコンテナをトナー回収タンクとして再利用

授賞に関するプレスリリース:
https://www.kyoceradocumentsolutions.co.jp/news/rls_2016/rls_20160728.html

構造解析による板金使用量の削減

カラーA4複合機「ECOSYS M6535cidn」のフレーム構成は板金部品にて構成されています。
板金の厚さを薄くしても強度を確保できるよう、CAEによる構造解析を行い最適な形状を割り出すことにより、従来機より約20%の軽量化を達成しています。
下の2つの図は、CAEによる構造解析をもとにした、形状変更による省資源設計の例を示したものです。
矢印はねじれの方向であり、色が赤くなるほど、板金にかかる応力が大きく、逆に青くなる程、応力が小さくなっている、ということを示しています。下左図では右上部に応力が大きくかかっていますが、赤くなっている部分の板金を厚くし、また左側面部に板金を追加するなどして強度を高め、逆にその他の部分の板金をできる限り薄くすることにより、使用される板金の量を削減しています。

CAE: 工業製品の設計・開発工程を支援するコンピュータシステム(Computer Aided Engineering)

構造解析による板金使用量の削減

長寿命設計

当社の製品コンセプトであるエコシスコンセプトはプリンターの画像形成にかかわる機構部分を徹底的に長寿命化し、部品の交換頻度を少なくすることで廃棄物となる部品を削減しています。ランニングコストも抑えられ、環境に対しても経済的にもメリットがあります。
当社独自のさまざまな長寿命化技術がこのコンセプトを実現しています。

感光体ドラムの長寿命化による環境負荷低減

長寿命a-Si感光体ドラムの新開発

長寿命a-Si感光体ドラム
長寿命a-Si感光体ドラム

2012年に発売した複合機・プリンターから、従来のa-Si(アモルファスシリコン)感光体ドラムの表面保護層に、ダイヤモンドに近い硬度を持つ高硬度で耐久性に優れたa-C(アモルファスカーボン)系薄膜を採用することで、より長寿命化を達成しています(従来のカラー複合機のドラム寿命30万枚に対して60万枚と2倍の長寿命を実現)。

● 長寿命a-Si感光体ドラムの構造図

長寿命a-Si感光体ドラムの構造図

長寿命PSLP有機感光体ドラムの開発

当社は、複合機・プリンターに用いる感光体ドラムに、一般的な有機感光体(OPC)とは異なり、正帯電で用いることのできる「正帯電単層有機感光体ドラム:PSLP」も製品化しています。
このPSLPドラムは、表面層の摩耗により感光体特性のバランスが崩れていく、一般的な多層構造の負帯電型OPCドラムと異なり、単層構造であるために、摩耗が進んでも感光体特性のバランスが損なわれず長期間安定的に保たれるという特徴を有しています。このドラムに当社独自の長寿命化技術を取り入れることで、一般的なOPCドラムにくらべて10倍以上の寿命を持たせることが可能になりました。PSLPドラムは、一般的なOPCドラムにくらべて製造工程が極めて単純であるため、製造時のエネルギーは、同規模の一般的なOPCドラムの製造工程の約1/3となり、製造工程におけるCO2の排出削減にも大きく貢献しています。

PSLP:Positive-charged Single Layer Photoconductor

● PSLPドラムの構造図

PSLPドラムの構造図

オフィス環境への配慮

省資源、省エネルギーなどの環境配慮と同時に、お客さまのビジネス環境における環境配慮も重要な技術的な課題になっています。当社の複合機・プリンターはオフィスにおける設置面積の小型化から、マシンの近くで働く方にも不快感を与えない静音設計や特に静かな環境が必要な場合に有効な静音モードの搭載、シンプルで簡単な操作性など、実際のビジネスシーンで求められる機能を装備しています。

静音設計

2016年10月に販売を開始した、カラーA4複合機「ECOSYS M5526cdw」およびA4カラープリンター「ECOSYS P5026cdw」は、ユーザーのすぐそばで使用されるケースを想定し、静音性に配慮しています。 当社は、静音性を達成するため、さまざまな工夫を製品に搭載しています。

冷却ファン削減

熱源影響を低減するように配置設計することで、冷却ファンの使用個数を削減でき、ファンの動作音を抑えることができました。

● ECOSYS M5526cdwの機内における風の流れ

冷却ファン削減

本体駆動モーター削減

プロセスユニット・給紙搬送ユニットを徹底的に低トルク化することで、作像モーター1個+搬送モーター1個の合計2個のモーターでの本体駆動を達成し、稼働音を抑えています。

本体駆動モーター削減

音の大きさの比較

  従来機
ECOSYS FS-C2626MFP
新製品
ECOSYS M5526cdw
倍率
音圧レベル 50.0デシベル 49.0デシベル 0.89倍
音響パワーレベル 61.7デシベル 60.1デシベル 0.69倍

コンパクト設計

2016年10月に販売を開始した、カラーA4複合機「ECOSYS M5526cdw」およびカラーA4プリンター「ECOSYS P5026cdw」は、以下を採用することにより、業界トップクラスのコンパクトサイズを実現しました。

  1. 1廃棄ボトル一体型トナーコンテナをプロセスユニットとダイレクトに接続することにより、トナー搬送経路を短縮
  2. 2小径感光体ドラム/小径帯電ローラーや二成分現像方式を採用することで、プロセスユニットを小型化
  3. 3小型のプロセスユニットを配置することで、各色ステーション間距離を短縮
  4. 4LSU(Laser Scanner Unit、レーザープリンターにおけるドラムへの画像書き込み装置)において、単焦点fθレンズ(レーザー光の走査に用いるレンズ)の採用により、光路長を短縮
  5. 5ポリゴンミラーとfθレンズを2段積みして2段光路/対向走査方式とすることで、カラー4色に対しポリゴンモーターは1個で達成
  6. 6用紙搬送部やスイッチバック部のローラーを削減して、搬送経路を短縮

これによって、ユーザーは製品を手元に置いても圧迫感なく使用することが出来ます。また、店舗や窓口、小規模事業所などの手狭な環境でも、置き場所を選ぶことなく設置することが可能となります。コンパクトで使いやすいデザインにより、2016年度の「グッドデザイン賞」を受賞しました。

マシンサイズの比較

  従来機
ECOSYS FS-C2626MFP
新製品
ECOSYS M5526cdw
効果
全高 [mm] 603 495 18%削減
設置面積 [mm²] 204,000 168,100 18%削減
体積 [L] 170.47 88.55 48%削減
重量 [kg] 38.7 26.0 33%削減

コンパクト設計 図

静音モードの搭載

下記5モデルのカラーA4複合機・プリンターは、本機の動作音を抑えて静かに使用することができます。 常時静音モードに設定する、静音モードをオフする、もしくはジョブ毎に静音モードを設定するか、を選択することができ、音の大きさを、45-47デシベルまで軽減することができます。
(※40デシベルは深夜の市内や図書館、50デシベルは静かな事務所における音の大きさの目安とされています。)

音の大きさの比較

モデル 音の大きさ
通常モード 静音モード
ECOSYS M6530cdn/P6130cdn 49.5デシベル 45.0デシベル
ECOSYS M6535cidn/P6035cdn 52.0デシベル 47.0デシベル
ECOSYS P7040cdn 53.5デシベル 47.0デシベル

オゾンフリー設計

当社の製品には、a-Si(アモルファスシリコン)ドラム、PSLP有機感光体ドラムなど、オゾンの発生がより少なく、正(プラス)帯電で使用することのできる感光体を採用しています。
そのプラス帯電の感光体とローラー帯電システムを組み合わせることで、従来の帯電方式にくらべ、さらにオゾンの発生を、測定が困難なレベルまで軽減しています。
当社はこのオゾンフリー設計を2010年から導入しています。

オゾンフリー設計 図

TOPICS

カラーA3複合機「TASKalfa 3252ci」が 評価機関BLI社から最高評価を受賞

カラーA3複合機「TASKalfa 3252ci」が、ドキュメント機器に関する独立調査機関である米国Buyers Laboratory LLC社より「Highly Recommended」に認定されました。
本製品は全ての機能と性能を評価するために、約2カ月に渡って実施されたBLI社の厳格な製品試験を経て、総合的に優れた製品と認められました。
また、本製品は、使い終わったあとのトナーコンテナをトナーの回収タンクとして再利用できる当社独自の仕組みが特徴です。この仕組みは、既にBLI社の「2016 BLI Outstanding Achievement in Innovation award」を受賞しています。

カラーA3複合機「TASKalfa 3252ci」が 評価機関BLI社から最高評価を受賞

A4複合機・プリンター計4モデルが「iFデザイン賞(ドイツ)」を受賞

カラーA4複合機「ECOSYS M5526cdw」、カラーA4プリンター「ECOSYS P5026cdw」、モノクロA4複合機「ECOSYS M2640idw」、モノクロA4プリンター「ECOSYS P2040dw」の計4モデルが、 「iFデザイン賞 2017」を受賞しました。 iFデザイン賞とは、ドイツを拠点とするインダストリー・フォーラム・デザイン・ハノーファー(iF)が主催する、世界的に最も権威のあるデザイン賞の一つです。
本4モデルは、さまざまなオフィス空間に調和するシンプルなデザインと、ユーザーに配慮した操作性、そして長寿命パーツの採用による廃棄物の低減などの環境性や、用紙や消耗品の交換などの操作を片手で無理なく前面から行える操作性などが評価されました。 また、本4モデルは、公益財団法人日本デザイン振興会主催 の2016年度「グッドデザイン賞」も受賞しています。

A4プリンター・複合機計4モデルが「iFデザイン賞(ドイツ)」を受賞