最新デジタルサイネージ活用法

最新デジタルサイネージ活用法

デジタルサイネージが多様な用途で活用されています。身近なところでは、通勤電車。鉄道の新型車両に小型のディスプレーが設置されるようになってきました。乗り換え案内のほか、ニュースや沿線のイベント情報が表示され、混雑した車内から逃げるがごとくディスプレーに目をやる人も少なくないでしょう。今やデジタルサイネージは、交通機関からショッピングモール、図書館、役所、ビル壁面まで設置されています。目的も幅広く、広告、空間演出、情報提供などさまざまな用途があります。

文=山崎 俊明
IT関連誌やWeb媒体にて、ネットワーク、セキュリティ、通信キャリア、クラウドなどのIT記事を多数、取材・執筆している。国内外のITベンダーのソリューションに詳しい。

1、最新ITとデジタルサイネージを連携

最近のデジタルサイネージ活用で注目されているのが、個人のスマホとの連動です。スマホをデジタルサイネージにかざし、個人の属性に応じた情報を入手するというものです。
例えば、凸版印刷ではホテル椿山荘東京と共同で、オリジナル4K映像コンテンツ活用した実証実験を2016年10月3日~11月2日に実施しました。ホテルの庭園や婚礼、美食といった臨場感のある4K映像をロビーに設置した大画面のディスプレーで上映。映像上映に合わせて配布したカードのマーカーをスマホで読み取ると、ホテルの施設を紹介する高精細な動画を視聴できます。動画再生後は、スマホの画面は公式Webサイトへ遷移します。Webサイトへのアクセス数を基に、カード経由のアクセス数と通常のアクセス数の比較・検証を行い、実証実験の顧客満足度向上の有効性を検証しています。

また、IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)、ビッグデータといった最新ITとデジタルサイネージを連携した実証実験も行われています。電通など5社では、屋外広告実証実験プロジェクト(OOHプロジェクト)を立ち上げ、屋外広告におけるターゲティング広告の実用化に向けた実験を実施しています。

これは屋外デジタルサイネージにおいて、AIのディープラーニング(深層学習)と、IoTが集める膨大な映像情報と属性情報、ビッグデータを保存・分析する技術を活用する取り組みです。屋外のビデオカメラ映像からリアルタイムに通行状況を判別し、道路沿いのデジタルサイネージに適切な広告を表示します。通行する自動車向けのターゲティング広告に加え、行動分析に基づくリアルタイム広告についても実証実験を行う予定です。

2、コンテンツで接客。サービスレベルを高める

デジタルサイネージのコンテンツが接客をする例もあります。例えば、楽器メーカーのヤマハでは、新東名浜松SAにインフォメーションボードとしてデジタルサイネージを導入しました。タッチパネル式のデジタルサイネージを利用して、SAでしか見られないスペシャルコンテンツを配信。SA利用者向けに、自社の自動演奏ピアノやグランドピアノを紹介しています。コンテンツのページにタッチログ機能を設け、閲覧回数や再生時間を集計できるようにしています。

多言語対応のデジタルサイネージを導入し、外国人旅行者への情報提供を強化するホテルもあります。新宿ワシントンホテルでは、深夜など時間帯によって外国語を話せるホテルスタッフを配置するのが難しく、外国人宿泊者への対応が課題でした。

そこで、タッチパネル式のデジタルサイネージを設置し、外国人宿泊者から質問の多い館内案内やレストラン、周辺施設、交通アクセス、観光情報を項目別に分けて表示しました。交通アクセスの地図は、備え付けのプリンターから印刷できるようにしました。印刷ログデータを分析し、頻繁に利用されるコンテンツを把握してサービスレベルの向上に役立てています。

店舗での営業手法を変えた例もあります。IDOM(旧ガリバーインターナショナル)が運営する大型展示店舗「WOW!TOWN大宮」では、「セルフでクルマ探し。」をコンセプトに、デジタルサイネージを活用したシステムで来場者の車選びの幅を広げています。デジタルサイネージに表示される複数の質問に答えていけば、好みに合った車が提示されます。営業担当者のセールストークなしに車をゆっくり検討したい人や、車にあまり詳しくない人でも、簡単な質問項目に答えるだけで、自分の考えに合った車が検討できる仕組みです。見積もりや契約に進みたいときは、営業担当者に相談できます。検討した車の情報は、自宅のPCやスマホでも見られます。

今回紹介したデジタルサイネージの事例はほんの一部にすぎません。駅やショッピングモールなど、身近な場所に設置されているデジタルサイネージに実際に触れて、使い勝手やコンテンツの進化を確かめると新たな気づきが得られるはずです。

なお、デジタルサイネージコンテンツのつくり方をまとめたPDFを公開しています。こちらもぜひ参考にしてみてください。

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デジタルサイネージコンテンツのつくり方

デジタルサイネージを効果的に、効率的に導入するためのコンテンツづくりのポイントを紹介します。

【目次】
・まず「目的」をはっきりさせよう
・ちら見で内容が分かる「コンテンツ」
・コンテンツ制作に関連する項目

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